n=me 医学生体験記

n=me 医学生体験記

薬剤師から国公立医学部へ学士編入した、とある医学生のブログ。

n=8:【医学部編入試験】薬剤師の私が再受験ではなく、学士編入試験を選んだ理由

嵐山

多分、嵐山


 

こんにちは。

突然なのですが、「n=me」ってみなさん何と読んでくださっているのでしょう?

えぬいこーるえむいー?えぬいこーるみー?

長いから略してえぬみー??

読みにくそうなので何かあだ名みたいなものがあるといいですよね。(他人事)

 

今回は表題通り、私がなぜ再受験ではなく編入試験を選んだか書いていこうと思います。

 

 

再受験か?編入試験か?

 

この時のツイートでは「編入一択」と書いていますが、これは結果論であって、

医学部を受けようと思い立って全然情報がなかった時は再受験(一般入試)の方向で考えていました。

編入試験という制度をよく知らなかったということもありますが、一般入試の方が戦略が立てやすそうだなと軽い気持ちで考えていたからです。

大体センター試験でこのくらい、2次試験でこのくらい点数を取れば受かるだろう、と公表されているデータを元にして明確な目標を立てられます。

また、過去問も赤本があるので容易に手に入るかつ対策もしやすいです。

私は、現役時代の成績的にも国立大は厳しいだろうから私立大の方が受かりやすいかなと思い、私大の赤本を何冊か買ったりしていました。

数学が大の苦手だったので、基礎の基礎からと思って、白チャートも買いました。

はい、形から入っていくタイプです(笑)

当時フルタイムで仕事をしており、かつそもそも受験自体を迷っているところもあった為、まずは数学だけでもと思ってちょこちょこ勉強を始めました。

何年かかるかとかその時は考えておらず、のんびりと勉強していました。

そんな感じだったので、モチベーションはあまり上がっておらず、勉強も進まず、あくまで仕事を優先させる形で日々過ごしていました。

 

しかし、働いているうちに徐々に医学部への思いが強くなっていき、本気で受験を考えるようになりました。

その時点で白チャート、確か1冊目の半分ぐらい解いたところだったと思うのですが、そこまでやってみて、どうしてもやっぱり自分が数学を武器にできるとは思えませんでした。

武器にできるようになるにはこれ、何年かかるんだろうと(笑)

医学部に受かるには人並みの点数じゃダメなのです。

そう思ったらほんと無理ゲーだなぁと結構な絶望を感じていました。

同時に、高校3年生の時に受験勉強を怠ったことをここで本当に後悔しました。

 

そんな時、医学部のことを相談していた知人に、学士編入試験のことを教えてもらいました。

その後自分で調べて、河合塾KALSという予備校があることを知り、説明会等を経て(まあ色々と悩みましたが、最終的に)入塾を決意するのです。

 

【2020/4/24追記】

KALSについて書いた記事はこちら

n-equals-me.hatenablog.com

 

編入試験を選んだ理由・メリット

編入試験に至った流れをだらだらと書きましたが、詳しい理由を以下にまとめます。

一般論的なことも少し含めます。

 

数学が苦手だった

一般入試は数学からは逃げられません

本当に私にとってはここが1番のネックでした。

上記の通り、現役時代から時間が経っているとはいえ白チャートを途中で投げ出すほどです。

唯一、帝京大学は数学から逃げられることを調べて知りましたが、それ以外の科目を武器にして高倍率を勝ち抜ける自信はなかったので断念しました。

 

英語には苦手意識がなかった

逆に、編入試験は英語からは逃げられません

そこまで得意とも言えませんでしたが、英語の勉強ならまだ頑張れるかなと思っていました。

 

勉強する科目数が少なくて済む

国立大を一般入試で受けようと思ったらセンター試験からは逃れられません。

英語と理科はかろうじてどうにかなりそうな気はしましたが、苦手な数学に加えて、国語や社会を今からやるのかと思ったらちょっとしんどいなと思ったのです。

編入試験は大学によっては、生命科学と英語だけで受験できますし、そこに物理化学が乗っかってくるぐらいなので(簡単に書きましたが大学レベルの物理化学は結構きつかったです)、今からセンター試験対策をするよりはましかも…と思っていました。

(結局、物理化学はできるようになりませんでした…。)

 

何校でも受験できる

これも編入試験のメリットだと思います。

一般入試は、国公立なら前期・中期・後期と最大3校までしか出願できません。

編入試験は日程が被らない限りは、お金に余裕があれば何校でも受験可能です。

 

特に地域に拘らず、受かればどこでもいいというスタンスだった

このスタンスは意外と大切だったかもしれません。

私にとっては、住む場所よりも何よりも「医師免許を取る」ことが最優先事項だったので、全国どこへでも受験しに行きました。

逆に地域に強いこだわりがあったり、家庭の事情などで受ける地域が限られる方は、

編入試験を受けるよりも、一般入試で狙い撃ちをする方が合格する確率は高いかもしれません。(選択肢も増えるので)

例えばですが、関東圏で学士編入を行っている大学は今や、医科歯科、筑波、群馬の3校のみです。

とてもハイスペックな方なら狙い撃ちも可能かと思いますが、普通の人はなかなか厳しいと思います。

医科歯科はTOEFL80点以上必須、筑波は筆記ガチ勢との勝負、群馬は15名受かるとは言え、毎年問題傾向が変わるので非常に対策しづらいです。

(つまり関東圏での戦いは私には無謀でした)

 

自分にとって何を優先させるか、だと思います。 

「ここに住んでいたいから絶対にこの大学。受からなかったら諦める。」と思って受験をするか、

「どこでもいいから医師免許取得!」と思って受験をするか。

人それぞれだと思います。

  

志望理由書が書きやすかった

薬剤師をしていたこともあり、仕事上での気づきや発見から、それを志望理由に繋げやすかったことも理由の1つです。

私の場合は医師になりたいと思ったきっかけや思いを大きく脚色することなく、志望理由書にストレートに表現することができたので、幸いその点はそこまで苦労はしなかったです。

 

自分の在学していた高校や大学から編入試験に成功している人がいた

これも自分の中では大きかったです。

自分と同じぐらいのレベルのコミュニティからでも合格できる可能性があることは、とても大きな希望でした。

 

推薦書を頼める先生がいた

こちらは本当に大感謝です。

最終的に10通ほどは書いてもらっていたと思います。

推薦書不要の大学もありますが、推薦書があるだけで出願できる大学の幅が広がります。

 

 

 

編入試験を受けるにあたって不安だったこと・デメリット

 

何もかも不透明

一般入試のように明かされている情報が豊富ではなく、合格者の最低点でさえ分かりません。

成績開示をしてくれる大学もありますが、自分の点数しか分からないので筆記試験のボーダー等は不明です。

(唯一鹿児島大学は、開示結果として筆記試験と面接の点数とそれぞれの順位を教えてくれます。)

面接の採点基準が明確でないのに、面接試験の占める割合が大きかったりするので、本当にブラックボックスだと思いました。

受験を終えた今でもそう思います。

いかに面接官にいいと思ってもらえるか、これに尽きると思います。

しかし正解は無いので、そこがとても難しいところだと思います。

 

物理化学が苦手

大学レベルの物理化学が苦手でした、というか数学のできなさが原因でもありました。

そもそも物理が苦手だったのに、大学物理では数学の知識も必要だったからです…。

唯一、アドバンテージだと思ったのは有機化学ぐらいです。

こちらは大学で嫌というほどやっていたので少しは覚えており、とっつきやすかったです。

 

薬学部出身なのに生命科学が得意でない 

n-equals-me.hatenablog.com

こちらでも書きましたが、私は薬学生の常識「クエン酸回路(生化学範囲)」をきちんと理解したのが6年生の時です。

このことからお察しください(笑)

また、現役時代は物化選択で生物は大学で初学の状態でした。

それなのに生物学(ちなみに生化学もです)のテストを一夜漬けで済ませるというお粗末なことをした為に、何も頭に残っていなかったのです。

(このこともあって、私はKALSの生命科学は基礎からしっかり受講しました。)

 

 

お金がかかる(金銭面)

受験料が1校あたり3万円。

そして交通費+ホテル代、さらに2次試験までいけばそれが2回分。

ほとんどが飛行機での移動だったので、1校受けるのに10万円弱かかっていたと思います。

 

面接やプレゼンが得意とは言えない

正直全然自信がなかったです。

ただ、志望理由書をしっかり練り上げて何度も何度も繰り返し練習することで、ここはしっかりと乗り越えられました。

自分で作っていた面接ノートがかなり役に立ちました。

最終的に複数校合格をもらっているので、自分に自信をつけることができました。

 

 

私が考える、編入試験にあまり向かない人

あくまで個人的な考えです。

 

英語がめちゃくちゃ苦手

上記の通り、編入試験は英語からは逃げられないです。

英語の配点の大きいところがほとんどなので、英語が苦手だと少し大変かもしれません。

ただ、苦労しながらも受かっている例も見たことはあるので、時間はかかるかもしれませんが対策をすれば不可能ではないと思います。

以下は私の勝手な考えです。

どうしても英語が苦手な方が英語から逃げる方法として、とりあえず頑張ってTOEICで高得点をとり、筆記試験では英語が課されないか、もしくはその配点が低い大学を受験するという戦法をとることはできると思います。

思いつく大学としては、北大、新潟、香川ぐらいですが…。

ただし、この3校は物理、化学、統計(北大)、数学(新潟)がしっかりできないと厳しいので、英語の代わりにそちらの対策に力を入れることが求められます。

 

面接がめちゃくちゃ苦手、もしくは明確な志望理由が書けない

筆記は全部通るけど、面接は全落ち…。

そんな方も見てきました。

志望理由が微妙なのか、面接であがってしまいうまく喋れないのか、詳しくは分かりません。

(厳しいことを言いますが、自分で理由が分かっているなら、何らかの対策を立てることでどこかには合格できると思います。なぜだめなのか自己分析ができないから、いつまでも受からないのだと思います。)

編入試験では面接の配点が高い上に色々と不透明であることを考えると、そういう方にはあまりおすすめはできません。

ただ、逆に1校だけ受けてそこがダメだったからと言って他も不合格になるとは限りません。

その大学との相性もありますし、結局は相対評価なので、

「その大学の面接官にとって、自分よりも他に取りたいと思った人が5人いた」

ただそれだけのことです。

何校も落ち続けているなら何か原因を考えるべきですが、

その1校だめだったからと言って過度に落ち込む必要はありません

 

結論

運良く学士編入試験で合格することができたので、私の場合は学士編入を選んで正解だったと言えます。

あくまで「私の場合は」です。

じゃあこの先同じ大学の人に、同じ薬剤師の人に編入試験をすすめられるかと言われれば、答えが必ずしもYESになるとは限りません。

その方のスペックや、得意科目・苦手科目なども知らずにいい加減なことは言えないなと思っています。

 

なかなか受からずに苦しんでいる方へ

途中、厳しいことも書きましたが、多分こういうことは受からない人に対して面と向かっては言ってもらえないと思うのです。

特に、KALSもそうですが指導側って客商売でもあるので、一見突き放すようなことは言えないはずです。

これはその性質上仕方のないことだと思っています。

 

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

 

私はこれは編入試験にそのまま当てはまると思っています。

私のようにたまたま運良く受かってしまう人もいます。

反対に落ち続けている人には何かきっと理由があるはずです。

「そのままじゃ受からないよ」と言ってあげることも優しさです。

今、なかなか合格がもらえずに悩んでいる人には、そこからどうにか軌道修正して合格を勝ち取るか、もしくは自分の納得できる道へ進んで欲しいなと思います。

 

今回は以上です。

何か少しでも参考にしていただけたなら嬉しく思います。

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