n=13:【医学部学士編入】元KALS生が語る、河合塾KALS
こんにちは。
今回は医学部学士編入試験受験者向けの記事です。
現在COVID-19の影響で休館中とのことですが、KALSについて書いていきたいと思います。
私はKALS新宿校の通学生でした。
受講していたものは、生命科学の基礎・完成・実戦、医学英語の完成・実戦、小論文の完成・実戦、物理化学コースです。
いずれも、私の受講当時の情報・感想なので、参考程度にお願い致します。
河合塾KALS
KALSとは?
河合塾が運営している予備校で、医学部学士編入試験対策講座を用意しています。
(他にもカレッジコース等があるようですが、ここでは割愛します。)
編入試験の受験を思い立った方は、1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
ちなみにKALSとは、
Kawaijuku Active Learning School の略です。(どこかの大学の面接で、何の略なのか聞かれたことがあるらしい。)
通学校舎は、新宿本校、名駅校、新大阪校の3つです。(2020年4月現在)
各講座について
それぞれの講座について書いていきます。物理化学コースについては後述します。
生命科学
生命科学は自信がなければ基礎から取ることをおすすめします。
I先生の講義は非常にわかりやすく、また時折、臨床のことも絡めて説明してくださるので、「今学んでいる現象が、臨床ではこんな病気の元になっているのか」とイメージが掴みやすかったです。
生命科学が得意な方は完成編から入っても大丈夫かと思います。
私は(薬学部出身のくせに)生命科学(というより生物そのもの)が苦手だったので基礎から受講しました。
先生の話すことを、一言一句聞き漏らさないようメモを取るのに必死でした。
ノートはA4サイズのものを使い、右端にラインを引いてスペースを確保し、後から追加でメモや疑問点などを書き込めるようにしていました。
生命科学に関しては、私はテキストで精一杯で、ワークブックはほとんど手をつけられませんでした。(でも、時間があるならワークまでしっかりやった方がいいと思います。)
トップレベルゼミも受講していません。
英語
英語は予習をしっかりしていくように心掛けていました。
T先生はよく、授業前に面接の情報などの重要な話をしてくれるので聞き逃せません。
最初は「早く講義に入って欲しいな」と思っていましたが(ごめんなさい)、受講を重ねる内に先生の話し方に面白みを感じて(1人で笑うところなど(笑))、楽しくなっていきました。
N先生はめちゃくちゃ早口です。(「時間が勿体無いから」だそうです。)
ビデオで倍速にしなくても倍速です。1.5倍とかだと多分何話しているか聞き取れないと思います(笑)
ぶっちゃけ英語に関しては、授業で配られるプリントで自分で答え合わせをしてもいいのではないかなーと思っています。
実戦では確か、Appendixという過去問集とその解答がもらえるので、各大学の試験の前に結構活用していました。
単語リストも使っていましたが、全部は覚えられませんでした。
小論文
私は文章を書くのが得意ではなく、特に小論文などといいう構成を考えて書くようなものは苦手すぎてどうしようもないレベルで、最初の方はいつも時間内に書けず、涙目になっていました。(実話です。)
しかし、何回も書いている内に講義中に設けられた時間内で書けるようになり、本当に力がついたなーと自分でも思っています。
毎週毎週強制的に小論文を書くことで、長い文章を書くことに抵抗がなくなっていきました。
正直、自分の中では「英語と生命科学のおまけ」的な立ち位置だったのですが(ごめんなさい)、最終的には受講してよかったなと思えました。
特に、小論文を添削してもらえる機会なんてなかなかないと思うので、苦手な方にはおすすめしたいです。
通学のメリット
知り合いを増やすチャンスが多い
最初に断っておきますが、KALSに行けば自然と友達が増えるとか、知り合いが増えるとかそんなことはないです。
何事も自分から働きかけていくことが大切なので、そのあたりは勘違いしてはいけないと思います。
知り合いと入塾でもしない限りは初めは誰だってぼっちです。
しかし、KALSにいるのは少なくとも"医学部学士編入合格という、同じ目標を掲げている人達"なのです。
そんな人達の集まりなわけなので、自分からどんどん話しかけていったらいいと思います。
そういう意味で「知り合いを増やすチャンスが多い」ということです。
ただ、私の入塾時はもう既にグループが出来上がっていたりしたので、毎週毎週の講義の中ではあまり交流の輪を広げることができませんでした。
そこで、私は"試験会場で声をかけよう大作戦"に切り替えました。
(なんてひどいネーミングでしょうか。それなら、"nちゃん大作戦"()とかどうでしょう?深川大作戦的な…。あぁ、多分このネタは誰にも伝わらないでしょう。)
受験シーズンが始まり、各地の受験先で試験が終わった直後に、"KALSでよく見かけるけど話したことのない方"に話しかけて、その方と同じグループの方とも話をしてみたり…という感じで、徐々に受験の話ができる人を増やしていきました。
(色々な大学に受験に行き、2次試験に進んでいくと、"KALSにはいないけど、いつも見かける方"も増えてきます。)
こうしてKALSで知り合った方々とは、今でも結構連絡を取り合っていて、お互いの大学の進捗状況などを情報交換したりしています。
勉強のリズムを作りやすい
毎週講義があるのでその予習をしていくのですが、正直前の週の復習だけで手一杯でなかなか終わりません。
自分が通信だったら、予習をするまで講義を見ずにそのままだらだらペースが乱れていってしまったと思うので、毎週強制的に講義を受ける機会があるというのが、よいペースメーカーになっていたなと思います。
【余談】I先生に会える(新宿本校のみ)
余談ですが、I先生の靴って毎週違うんですよ。(紫だったり黄色だったり)
それに気が付いてからは、毎回先生の靴を見るのが楽しみで仕方なくなり、靴が見たくて前の方の席に座っていました(笑)
ご本人によると靴集めは「趣味ではない」とのことでした。
(趣味は無いのだそうです。「強いて言えば良問の探求と収集が趣味であろうか。」と過去のまぐまぐには書かれていました。)
「1つの靴を履き続けるよりも、いろんな靴を履き回せば、靴が傷みにくくなるから」というのが、たくさん靴を持つ理由だそうです。
なるほど、と思いました(笑)
先生に対面で質問ができる
質問書を介すのではなく、直接先生に質問に行くことができるのは大きなメリットだったと思います。
私は、質問する前に必ず1週間は寝かせて考えて、それでも分からなかった時だけ先生に聞きに行くようにしていました。
仕事をしながら考えていて、はっと気がつくこともありましたし、誰かに聞く前に自分で調べたり、考え直してみることは重要だと思います。
くだらない質問をしに行くのはあまりよろしくないみたいです。(私は幸い怒られたことは無いですが…)
質問自体が的外れであったり、漠然としすぎていたり、様々な理由があるかと思います。質問を受ける方からすると、よく調べた上での質問なのか、そうでないかはすぐに分かります。質問の仕方に問題がないか、自分でよく考えてから投げかけましょう。その方がより有意義な質疑応答になると思います。
— n=me (@n_equals_me) 2020年4月21日
対面に限らず、質問書等で質問をされている方にも同じことが言えると思います。
自分でよく考えもせず、調べもせずに質問を投げるのはよくないです。
以下、過去のまぐまぐからの引用です。
質問は対面で行うように強くお勧めします。質問用紙は多くの場
合意味不明になり、
解答に困ることが普通だからです。よくわかっていない人がよくわかっていない内容を
記述するのだから、これは当然意味不明になります。井出は休み時間は休むものだと
思っていますので、休み時間の質問にはお答えしていません。講義の前後(たいてい
早く出講しています)に質問して下さい。また、講義直後に「ここがわからないんですけど」
と来る方がおられますが、まずはわかろうと考え直す、あるいは調べてみることを非常に
強く勧めます。考え直したがなおよくわからない、とか、このように理解・解釈したのだが
これで良いのだろうか、と いう質問は学習効果が高く、有効だと思います。特に後者の
タイプの質問をする方は優秀な方だと思いますし、合格しているようです。ある事項について、
一から十までわからない、という事態は普通は生じません。ある小部分がわからない、
というのが普通です。だから質問は常にピンポイントに なるはずです。一から十まで
わからない場合は、今後も類似の事態が繰り返し生じます。基礎シリーズから受講するようにお勧めします。
KALSのメリット
通学・通信に限らず、受講した際のメリットをあげていきます。
独学より効率がいい
独学で闇雲に参考書に手を伸ばすよりも、KALSのテキストをこなすだけで済むので、試験に出る分野を効率よく勉強することができます。
過去問の印刷ができる
これはとても有難いサービスでした。
ほとんどの大学の年度の過去問が、再現問題も含めて揃っています。
これが利用できるだけでも、KALSを利用する価値はあると思っています。
(過去問を集めたクラウドサービスなんかがあったらいいのになーと、思ったりもします。)
カウンセリング受け放題
講師やチューターさんへのカウンセリングが何回も受けられます。
私も大変お世話になりました。
面接試験前や志望理由書の締め切り直前は混み合う為、予約がとりづらいときもありましたが、本当に何度も何度も利用させていただきました。
小論文の添削
上の方でもお話ししましたが、小論文を添削してもらえる機会はそうそう無いと思うので、自信がない方には小論文の講座はおすすめです。
KALSのデメリット
物理化学コースが難しい
物理化学コースはとても難しく、私はついていけませんでした。(数学ができること前提で進んでいきます。)
先生はとても優秀で優しいのですが、講座自体は初学者向きではなかったです。
一度大学で学んでいた方が復習として受けるのに丁度いいレベルなのではないかと思います。(私の場合は有機化学がそうだったので…)
でも、「一度大学で学んでいるなら受講しなくてもいいのでは?」となるので、結局誰向けの講座なのかわかりません(笑)
テキストとワークブックに各大学の過去問(改訂されていなければ古いですが…)とその解説が載っているので、過去問の演習本として使うには良いと思います。
受講料が高い
ここが最大のネックだと思います。
最近また値上がりしているかもしれません。
フルコースでとると普通に100万円超えてくると思います。
とにかく高いので、お金の無い学生には厳しいですね。
こちらの記事ではKALS以外のサービスを紹介しています。
ただ、提供されているのは主に志望理由書の添削や、過去問の解答なので、正直なところ完全に「KALSの代替となるもの」では無いです。
オンラインでKALSと同等の教材を使って、編入試験向けの授業を提供できるところが出てきたら強いなとは思いますが、今のところはまだKALS一強の状態だと思います。
【番外編1】河合塾のおすすめ本
医学・医療概説―医学部進学のための特別講座 (河合塾シリーズ)
こちらは受験時に活用していました。
医療や医療用語について基本的なことが学べます。
志望理由書を書く前に、また小論文対策として読んでおいてもよいのではないかと思います。
私は面接試験の前にも使っていました。
【番外編2】KALSの2次試験対策
KALSでは1次試験合格者向けに、2次試験で集団面接やグループワークがあればそれに対して対策講座を開くことがあります。
有料ですが、確か受講生以外の方も参加できたと思うので、できるなら参加した方が良いと思われます。
本番で初めましてをするよりも、グループの振り分けはどうあれ、一度それまでに顔を合わせておいた方が精神的にも絶対に良いからです。
グループが違ったとしても、試験会場に顔見知りの人がいるというのは、それだけでとても心強いことです。
【番外編3】KALS模試について
受講生以外も受けることができます。
私もKALS模試は受けていましたが、英語も生命科学も偏差値は50前後だったと思います。
全然よくなかったです。
模試の偏差値は合否とは関係がないので、そんなことで一喜一憂している暇があったら、目の前の課題をしっかりこなしてください。
模試でいつも成績がいいのに、面接で全落ち。そんな方も見てきたからです。
自分の学力の立ち位置を知るという意味では、模試は有効だと思います。
特に英語は時間配分の練習になります。
しかし、模試はあくまで模試であり、本番とは問題が違います。
あまり模試の結果に囚われないようにしてください。
まとめ
私は結果として、運良く合格できましたし、KALSを利用して本当によかったなと思っています。
当たり前ですが、KALSに通ったから受かるとか、KALSを利用しなかったから受からないとか、KALS通学だから受かる、通信だから受からないとかそういうのは一切ないです。
そんなことで合否は決まりません。
結局はどんな状況であっても本人の頑張り次第です。
自分の無理のない範囲で、活用できるものを上手く利用して合格を勝ち取ればいいのです。
今回は以上です。
何か少しでも参考にしていただけたなら、嬉しく思います。
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